燐灰石から探る大陸成長史

-大陸はいつ、どれくらいあったのか?-

 地球は花崗岩質な大陸を持つ唯一の惑星です。その大陸は海洋に対する元素の最大の供給源であるとともに、堆積物中への有機物埋没を介して大気海洋の酸化(酸素が増える事)にも寄与します。そんな大陸が地球史を通じてどう成長してきたのか?それを多角的な視点から明らかにすべく研究をおこなっています。


研究方法

-違う歴史を読んでいく-

 これまでの大陸成長の研究の大半はジルコンというマグマ中で形成される鉱物の年代・微量元素測定に基づいて行われてきました。しかし、私は「ジルコンが晶出しないマグマも存在し、ジルコンに頼るだけでは真の大陸成長史の解読に繋がらない」と考えています。

 そこで注目しているのが、同じくマグマ中で晶出する燐灰石とモナズ石です。これらの年代及び微量元素組成を網羅的に調べる事によって、他の研究とは異なる、違う大陸成長史を読んでいきたいと思って日々データを積み重ねています。