【2024/09/25 更新】
ガボン共和国の前期原生代地層には真核生物と解釈される構造が含まれ、注目度が高い。ただ、その堆積岩が海の中で形成されたのか、外洋から隔離された湖のような環境で形成されたのかが不明であった。本研究は局所分析によって炭酸塩鉱物部分のみの希土類元素濃度を測定し、外洋に面した海環境で堆積したことを明らかにした。加えて、その酸化還元電位はCeが酸化される程度には酸化的になっていたことも明らかになりました。
論文へのリンク。
湖と違い、現在の海洋ではHoという元素に比べてYという元素が多くなっています(右図1)。この高いY/Ho比は、先カンブリア紀の炭酸塩岩が海成であるかどうかの判断指標となっています。従来の考えでは、海の中で沈殿する鉄マンガン酸化物がHoを選択的に取り除き、相対的に海にYが多くなると考えられてきました。
私たちが玄武岩という海洋底に豊富にある岩石の熱水実験を行った結果、岩石からHoよりもYが多量に溶出する事が明らかになりました。これは、海水特有の高いY/Hoは熱水が作っている事を示し、従来とは異なった見解を出す事ができました。
論文へのリンク。